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中村精寛の控訴審

「はい、終わり」中村精寛



樋口裁判長

 

1審は堺まで行ったけど見れず。

2審は初公判、判決とも運よく傍聴できた。

 

2審初公判では被告が登場するや弁護士が捲し立てた。

「被告は手錠と腰縄をしたところを沢山の傍聴人に見られている。これは被告の名誉に関わる問題。また、このような大法廷ではなくもっと小規模の法廷で公判をお願いしたい。」


この頃、大阪界隈では「被告人は最も見られたくない手錠している姿を傍聴人や知人などに晒すことを余儀無くされている!人権侵害だ!」とかいうキャンペーンがちょっとしたブームだった。大阪弁護士会が言いだしたもので、この担当もそこに所属してたんだろう。


舌ったらずの樋口裁判長は

「そのようなことは検討しておりましたが、通常の扱いとして進行します。一つの意見として伺っておきます。」

と答えた。


裁判長によっては弁護人の主張を通し、被告人の腰縄と手錠が解かれるまで法廷に傍聴人を入れないという対処もしていた。

そんなギラギラとした弁護人とは相反し、法廷で見た中村は青白く、髪の毛はサッパリし、スーツを着てこぢんまりとしていた。


この裁判では、いわゆる煽り運転の末に被害者へ衝突した結果死亡させたとして「殺人罪」が適用するかどうかが争点となった。


被告人質問。

  • 会社の勤め先に連絡をし再雇用して欲しいと考えている

  • 妻の経済状況は分からないが、申し訳ない気持ちはある

  • 出所したら御墓参りに行かせて貰いたい。尊い命を奪って申し訳ない。お詫びしたい。

加害者が被害者の墓参り?どうやってこの言葉を受け止めたらいいのか…。


遺族の意見陳述

  • 私たちも懲役16年に不服

  • 謝罪も反省もしていない

  • 殺意があったことは間違いない。あえてブレーキを踏み込まず、衝突させた。刑を軽くするのなんて絶対に許せません。

  • 自賠責保険を受け取っているが、これで刑が軽くなるのであれば放棄する


衝突する直前にブレーキをかけたと主張するものの、100キロが95キロになった程度。殺意、未必の故意がどう判断されるか。

 


控訴棄却


2審でも殺人罪を認定され、控訴が棄却された。

  • 運転中は終始無言だったのに対し被害車両と衝突し『はい、終わり』と告げた

  • ブレーキをかけたものの被害者に当っても良いという「未必の故意」があった

  • 全く反省していない


指先を開いたり閉じたりしながら判決を聞いていた中村。

上告の説明に「はい、はい」と口に出して返事をしていた。



地裁判決の懲役16年を支持、未決勾留日数120日参入される。

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