top of page

和歌山矯正展 2019

和歌山刑務所に行って来た。



大阪駅から阪和線に揺られ2時間強…。

山を8個くらい越えて、和歌山駅の一つ手前の紀伊中ノ島駅で下車。駅周辺は過疎。



本来ならバスで刑務所まで行けるのみたい。日曜日は休業だった。駅からは徒歩20分以上かかったよ~。



刑務所周辺は四箇郷と書いてシカゴと読むため、和歌山刑務所は別名「シカゴ刑務所」と呼ばれることもあるらしい。

シカゴにあるシカゴピザの写真も撮ればよかった〜。


塀は地域に馴染むパステル調の可愛いカラ〜



ここ和歌山刑務所の特徴はズバリ「女刑務所」だと言うこと。



有名なのは刑務所内に店舗をかまえる白百合美容室。

なんと一般人も利用できる。しかも受刑者が髪を切ってくれる全国屈指の美容室。





店内はたくさんの椅子が並んでいた。普段のお客さんは近所の婆ちゃんが大半だと言う。


美容の職業訓練を受けれる受刑者は年に1〜3人のみ。所内で模範囚かつ美容の免許を持つとなると、なかなかの努力が必要とされる。


こんなイメージかな

まさか殺人罪の受刑者にハサミを持たせるような事はさせないだろうし(と思いたい、)、近所の婆ちゃんにとってみれば良心的な美容室だと思う。


ネイルも施術してもらう事が可能。これも優秀な受刑者が担当してくれる。

そのほかの優秀生は介護、エクセルやワードや事務の職業訓練を受けられるよ。


 

女性刑務所で特記すべきところはその区分。


男の場合、全国各地にある刑務所の中から犯した罪の重さや精神状況、犯罪傾向などで刑務所が分けられる。

Aは初犯、Bは犯罪傾向が顕著な者やヤクザ、Lは懲役10年以上、Fは外人など…。

関西で言うと大阪刑務所はヤクザや外国人犯罪者が多い。加古川刑務所は交通犯罪に特化した数少ない刑務所でもある。


これが女子になると、区分で刑務所が別れていない。

女子の犯罪者自体が少ないためだ。

つまり、シャブ中も殺人犯も詐欺女も交通違反者もぜーんぶ同じ刑務所に収容される。


和歌山刑務所は西日本最大級の女子刑務所になる。そのため、有名どころの受刑者もたくさんいる。

例えば松本智*夫の嫁とか愛人もこの刑務所で服役した。現役で言うと八*死刑囚の愛人も服役しているという噂。

また、最近になって無罪が確定して出所した青*元受刑者や、服役終了後に再審を請求している西*元受刑者もココだった。


受刑者の数は年々減っており、現在では500名収容可能のところ400名程度にとどまっている。


しかし、問題なのは再犯率だ。

初犯で入所してくる者は少なく再犯で5年以内に戻ってくる確率は約40%、受刑者の高齢化が進んでいる事も社会問題としてよく報道されている。


 

さて、メインイベントの所内見学がなかなか良かった。20名程度でグループとなり刑務官が説明しながら所内を回る。


洗濯場、洋裁工場、居室、風呂、食堂などを見て回る25分コース。案内してくれた刑務官が偉い人っぽくて説明も上手だった。


洗濯場

一度に500人の受刑者の洗濯をするんだから洗濯機が超大きい。コインランドリーで一番大きいサイズの更に倍くらいのが5つ程度並んでいた。この部屋の外には鉄棒のぶっといやつみたいなのが無数に並んでいる。100くらい並んでたろうか。ココを担当する受刑者も優秀であるとされる。



洋裁工場

女子刑務所らしく、ミシンで洋裁してエプロンやお洋服、ブックカバーなどを制作している。作られたものの一部は外の販売所で良心的な価格で購入することができる。

工場の掲示板には「今週の目標→25,000!!」と書いてありなかなかイカツかった。

見れくれはただの町工場なのだけどトイレだけは違う。扉には透明があって、看守台からトイレの中が直接見れるようになっている。

左上のようなトイレ

自殺とかサボリ防止とか色んな理由があるけどこんな透明だと踏ん張りにくいよね。



居室

高齢化問題は外も中も一緒。相当きている受刑者はエアコン、自動ベット、テレビが備えられた独居に収容される。

一般受刑者は雑居房に詰め込まれる。男子刑務所との明確な違いは鏡が居室にあること。なんだかとっても素敵なご配慮。布団カバーも花柄で可愛かった。


風呂

でかい。いっぺんに50人くらいは入れそう。外国人受刑者もいるので別でシャワー室のみも完備。

風呂場のシャワーには個別で番号が振られており、刑務官に指示された番号で使用しなければいけない。これは仲が悪い受刑者同士が不意にトラブルにならないようだとか身体が不自由な受刑者のためだとかそういうシステムらしい。風呂場には介助用の椅子が沢山あったので刑務官も大変だ・・・。


食堂

和歌山刑務所のご飯は美味しいらしい。

刑務官も「僕あ色んなところで食べて来たけどここが1番美味しいね」と太鼓判を押していた。次はムショ飯を頂けるツアーだと良いなあ。

調理する受刑者はモチロン優秀生。遠目からテキパキやってるのが見えたよ~。



最後に見せてもらったのは教育室。

ここで覚せい剤とかのおクスリ、暴力団との断ち切り方、交通ルールについて等、再犯しないように徹底的に叩き込まれる。しかし刑務官の努力も虚しく再犯率は上がるばかり。


「刑務所は関係ないと思っていた皆さんも、今日は少し身近に感じれたんじゃないでしょうか。出所した受刑者は身寄りがなく、頼れる人もおらず、居場所がなくなって結局ここに戻ってしまう。地域の皆さんが少しでも気にかけてくれる事で再犯は防げると思っている。ぜひご協力お願いしたい。」



感動的な言葉で締めてもらったが、犯罪者に優しく接する世の中なんてほぼあり得ないと思う。親しい人が犯罪者になったらまだしも、見ず知らずの犯罪者の気持ちなんて考えた事ないから。それだから裁判傍聴に通うみたいな所がある。

コメント


bottom of page